新築の登記や引渡しまでの流れを解説:住所変更とネット回線の工事はいつ?

家づくりを検討し始めると、間取りやデザインのことばかりに目がいきがちですよね。
でも、実は家が完成した「その後」の手続きこそが、意外と複雑で大変だったりします。
登記や住所変更、インターネットの工事など、家が完成に近づくと一気にやらなければならないことが押し寄せてくるんです。

「まだ先の話だから」と思っていると、いざその時になって「えっ、ネットがすぐに使えないの?」「住民票っていつ移せばいいの?」と慌ててしまうかもしれません。
今のうちから引き渡し前後の流れを予習しておくだけでも、将来の安心感がまったく違います。

この記事では、家づくりを始めたばかりの方が知っておくべき、新築の登記から引き渡し、そして新生活をスタートさせるためのネット環境の準備について分かりやすく解説します。
全体像を把握して、余裕を持って家づくりを進めていきましょう。

新築の登記から引渡しまでの流れを図解

家が完成して鍵を受け取るまでの期間は、実は法的な手続きのラッシュになります。
特に「登記」という言葉は難しく聞こえますが、要するに「この家は私のものです」と国に登録する大切な手続きです。
まずは、建物が完成してから自分のものになるまでの一般的な流れを知っておきましょう。

表題登記と保存登記の違いを理解する

家を建てると、必ず行わなければならない登記が2つあります。
それが「建物表題登記」と「所有権保存登記」です。なんだか難しそうですが、役割分担を知ればシンプルです。

種類 建物表題登記 所有権保存登記
役割 どんな建物ができたか(出生届のようなもの) 誰が持ち主か(権利証を作るようなもの)
タイミング 建物完成後すぐ 引き渡し(ローンの実行)の当日
担当する人 土地家屋調査士 司法書士

通常、住宅ローンを借りるためには、銀行に「この家を担保にします」という設定(抵当権設定)をする必要があります。
そのためには、まず「建物表題登記」で家の存在を登録し、次に「所有権保存登記」であなたの権利を確定させる、という順番で進んでいきます。
家づくりが進んでいくと、こうした専門家たちが裏方として動いてくれることになるんですね。

【知っておきたいポイント】

建物表題登記と所有権保存登記。この2つの登記が終わらないと、銀行からのお金が実行されず、家の鍵を受け取ることができません。
家づくりの最後には、こうした法的な締めくくりが待っていると覚えておいてください。

司法書士の費用相場と依頼の時期

こうした登記手続きは、専門家に依頼するのが一般的です。
「自分でやりたい」と考える方もいるかもしれませんが、住宅ローンを利用する場合は、銀行側のルールで司法書士への依頼が必須となるケースがほとんどです。

費用については、資金計画に含めておくと安心。
一般的な木造住宅の場合、土地家屋調査士と司法書士への報酬、そして登録免許税(税金)を合わせて、ざっくり30万円〜50万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

依頼する時期は、建物が完成する1ヶ月前くらいが目安です。
ハウスメーカーや不動産会社が提携先を紹介してくれることが多いので、基本的にはお任せしてしまって大丈夫ですが、「諸費用」としてこれくらいのお金がかかるということは、今のうちから頭に入れておきましょう。

引渡しに必要な書類と準備リスト

いよいよ家が完成し、引き渡しを受ける日(決済日)は、人生で一番大きなお金が動く日でもあります。
この日には、登記に必要な書類や本人確認書類など、たくさんのものを用意しなければなりません。

引き渡しの日に必要となる主なものは以下の通りです。

  • 住民票:新居の住所のもの(詳細は後述します)
  • 印鑑証明書:実印の証明
  • 実印:契約や登記に使います
  • 本人確認書類:免許証など

「引き渡し当日になって印鑑証明がない!」なんてことにならないよう、家づくりが終盤に差し掛かったら、ハウスメーカーの担当者から渡されるリストをしっかりチェックすることになります。
今はまだ「なるほど、いろいろ必要になってくるんだな」くらいに思っておいていただければ大丈夫です。

新築の引き渡し前に住所変更する注意点

これから家を建てる方にぜひ知っておいていただきたいのが、「住民票をいつ移すか」という、ちょっと不思議な慣習についてです。
実は不動産業界では、まだ住んでいないのに住民票を移すということがよく行われているんです。

住民票の異動タイミングと虚偽の申告

本来、住民票というのは「実際に引っ越しをして住み始めてから」移すのが法律上のルールです。
住んでいない場所に住民票を置くことは、厳密にはNGとされています。

しかし、家を買ったり建てたりする場面では、引き渡し(家の代金を全額支払って鍵をもらう日)の1〜2週間前に、役所で転入届を出してしまうケースが非常に多いのです。
これは「新住所登記」と呼ばれる手続きを行うための、業界特有の慣例のようなものです。

【役所での対応に注意】

引き渡し前に手続きに行くことになった場合に、窓口で「まだ住んでないんですけど」と正直に言うと受理してもらえないことがあります。
多くの人が「今日引っ越しました(という体で)」届け出ているのが実情ですが、これはあくまで自己責任で行われているグレーゾーンな手続きだということを、予備知識として持っておいてください。

住宅ローン契約で住民票を移さないリスク

「なんでそんなリスクを冒してまで先に移すの?」と思われるかもしれませんが、それには明確なメリットがあります。

最大の理由は税金が安くなるからです。
新住所の住民票を使って登記を行うと、「住宅用家屋証明書」というものが取得でき、登記にかかる税金(登録免許税)が大幅に減税されます。
数万円から、場合によっては十数万円もの差が出ることもあります。

また、手続きの手間が省けるというのも大きな理由。
もし旧住所のままで登記をしてしまうと、登記簿上の住所が前の家のままになります。
引っ越し後にそれを新住所に書き換える「住所変更登記」が必要になり、余計な費用と手間がかかってしまうのです。

銀行や司法書士からも「先に移しておいてください」と言われることが多いので、「そういうものなんだな」と覚えておくと、戸惑わずに済みますよ。

学区の調整や郵便物の転送手続き

住民票を早めに移すことになった場合、生活面で気をつけておきたいポイントもあります。
特にお子さんがいらっしゃるご家庭は要チェックです。

一つは学区の問題です。
住民票を移すことで、転校の手続きがスムーズにいく場合もあれば、逆に「実際に住んでいないと転校できない」と言われる場合もあります。
家づくりが進んできたら、早めに学校や教育委員会に相談するのがおすすめです。

もう一つは郵便物です。
住民票を移すと、
役所からの大事な書類が誰もいない新居のポストに届いてしまう可能性があります。
郵便局の転送サービスをうまく使うなど、郵便物が迷子にならないような対策が必要になることも、頭の片隅に置いておいてください。

新築の引き渡し前にネットの工事は可能か

現代の生活において、電気・水道と同じくらい重要なのがインターネットですよね。
入居したその日からWi-Fiを使いたい!」と思うのは当然ですが、新築戸建ての場合はちょっとしたハードルがあります。

光回線の工事は早めに予約

まず知っておきたいのは、新築のネット工事は「申し込みから開通まで時間がかかる」ということです。
住所が新しすぎてNTTなどのデータベースに登録されていないため、場所の確認などの調査に時間がかかるからです。

また、原則として建物の引き渡し前(自分のものになる前)に勝手に工事をすることはできません。
壁に穴を開けたりする工事なので、ハウスメーカー側が嫌がることが多いのです。

そのため、家が完成に近づいたら、なるべく早めにネット回線の申し込みだけは済ませておき、工事日を「引き渡し直後」に設定できるように動くのが理想的です。

テレビアンテナ設置と光テレビの比較

家づくりを検討中の方にぜひ考えておいてほしいのが、「テレビをどうやって見るか」です。
最近は屋根にアンテナを立てずに、インターネット回線を使った「光テレビ」にする方も増えています。

もし光テレビを選ぶなら、ネット回線の工事が終わらないとテレビも見られません。
一方で、アンテナ設置なら、建物の工事中に電気屋さんが取り付けてくれることもあります。

外観をスッキリさせたいから光テレビにするか、月額費用がかからないアンテナにするか。
これは設計段階で決めておくと、配線計画などもスムーズにいきますよ。

入居直後からネットを使うための対策

「どうしても入居当日からネットが必要!」という場合に使える対策を2つご紹介します。

  1. 設計段階で「空配管」をお願いする: これから家を建てる皆さんだからこそできる対策です。光ケーブルを通すためのパイプ(空配管)をあらかじめ壁の中に通しておいてもらうと、後々の工事が非常にスムーズになります。
  2. モバイルWi-Fiをレンタルする: 開通工事までのつなぎとして、ポケットWi-Fiなどをレンタルするのが最も現実的です。多くの回線業者が貸し出しサービスを行っています。
【設計時のポイント】

ネットのルーターをどこに置くか、そこまでどうやって配線を持ってくるかは、間取りを決める段階で相談しておくと後悔しません。
ぜひ設計士さんに相談してみてくださいね。

まとめ:新築の登記や住所変更とネット工事の要点

家づくりは、建物を建てるだけでなく、住み始めるための手続きまで含めて一つのプロジェクトです。
まだ検討段階の方には少し先の話に聞こえたかもしれませんが、最後に大事なポイントをおさらいしておきましょう。

  • 登記には順番がある:建物が完成したら「表題登記」、引き渡し日に「保存登記」という流れで進みます。
  • 住所変更のタイミング:引き渡し前に移すのが業界の慣例ですが、メリットとリスクがあることを知っておきましょう。
  • ネット環境の準備:設計段階から配管などを考慮しておくと、実際に工事をする段階で楽になります。

「家が完成したら終わり」ではなく、そこから始まる新生活をスムーズにするために、今のうちから全体の流れをイメージしておくと安心です。
理想のマイホーム実現に向けて、楽しみながら準備を進めていってくださいね。

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