新築の間取りを考える際、35坪という面積は多くのファミリーにとって非常に現実的で扱いやすいサイズ感だと言われています。
しかし、実際に家づくりを検討し始めると、自分たちの理想とする生活がこの広さで本当に叶うのか、不安に思うこともありますよね。
4LDKにするか3LDKにするかの部屋数の配分や、思い切って平屋にするという選択肢、また土地の条件によって南玄関や北玄関のどちらが良いのかなど、悩みは尽きません。
さらに、新築にするなら憧れのアイランドキッチンや家事を楽にするランドリールームを取り入れたいけれど、失敗や後悔はしたくないと考えるのは当然のことです。
そこで今回は、部屋の配置や導線、方角など、35坪の新築における間取りの成功例に共通するポイントを掘り下げてお話しいたします。
実際の暮らしをイメージしやすいように、図面もご用意していますので、ワクワクしながらお読みください!
35坪の間取りで成功する「暮らしの黄金比」
日本国内において「35坪」という広さは、4人ほどの家族が暮らすのにちょうど良い、まさに黄金比とも言えるサイズ感だと言われます。
大きすぎて持て余すこともなく、かといって窮屈でもないという絶妙な広さをどう活かすかが、満足度の高い家づくりの第一歩。
まずは、この35坪という新築のキャンバスにどのような絵を描くのが正解に近いのか、成功例に多いポイントを部屋数や階数の視点から見ていきましょう。
4LDKと3LDKの最適な部屋数配分
35坪の広さがあれば、3LDKはもちろん、工夫次第で4LDKも十分に実現可能です。
ただ、単純に部屋数が多ければ良いというわけではないのが難しいところ。
よくある成功例では、家族のライフスタイルに合わせて「柔軟性」を持たせているケースが多いように感じます。
例えば、お子さんが2人いるご家庭の場合、子供部屋を最初から2つに区切って4LDKにするのか、それとも最初は広い1部屋として使い、将来的に仕切れるようにして実質3LDKスタートにするのか。この判断だけで、家全体のゆとりが大きく変わってきます。
個室をコンパクト(4.5畳〜5畳程度)に抑えることで、35坪でもLDKを20畳近く確保したゆとりのある4LDKが作れます。
また、和室や畳コーナーを設けるかどうかも大きなポイントです。
最近は、LDKと一体化できる畳コーナーを設けて「実質4LDK」のように使うスタイルが人気。これなら、来客時は客間として、普段はお子さんの遊び場やお昼寝スペースとして活用できるので、無駄がありません。
階段のない平屋という選択肢と土地条件
「35坪で平屋」というのは、実はかなり贅沢で魅力的な選択肢なんです。
2階建ての35坪と平屋の35坪では、必要な土地の広さが全く異なりますが、もし土地にゆとりがあるなら、平屋を強くおすすめします。
平屋の最大のメリットは、なんといっても「階段がないこと」による生活動線のスムーズさです。
洗濯物を持って2階へ上がる必要もありませんし、老後の生活も安心です。
35坪の平屋であれば、LDKを中心に各個室へアクセスする配置がしやすく、家族のコミュニケーションも自然と増えるでしょう。
▼ LDKを中心とした35坪平屋の間取り例(LDKに畳コーナーあり)

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新築で35坪の平屋を建てる場合、建ぺい率にもよりますが、駐車場やお庭を確保しようとすると、一般的には60坪〜70坪以上の土地が必要になるケースが多いです。土地探しの段階から計画を練る必要があります。
ただ、都心部など土地の広さが限られるエリアでは、やはり2階建てが現実的になります。
その場合でも、「将来的に1階だけで生活が完結できるような間取り(1階に主寝室や大きめの収納を設けるなど)」にしておくことで、平屋に近い利便性を手に入れている成功例もたくさんありますよ。
35坪の新築家屋で叶える「家事楽」動線
35坪という限られたスペースを最大限に活かすなら、ただ部屋を並べるだけでなく「動線」を徹底的に意識することが大切です。
特に、毎日の家事負担を減らす「家事楽(カジラク)」動線は、数ある成功例の共通点と言っても過言ではありません。
ここでは、多くの人が憧れる設備をどう配置すればスムーズに暮らせるのか、具体的なアイデアをご紹介します。
ランドリールームと室内干しの最強配置
共働き世帯が増えている今、天気や時間を気にせずに洗濯ができる「ランドリールーム」への注目度が非常に高まっていますよね。
35坪の間取りでこれを成功させる鍵は、「洗う・干す・しまう」を最短距離にする配置にあります。
よくある失敗は、ランドリールームを作ったものの、収納場所(ファミリークローゼット)が遠くて、結局洗濯物を持って移動しなければならないパターンです。
成功例として多いのは、脱衣所兼ランドリールームのすぐ隣にファミリークローゼットを配置する、あるいはランドリールーム自体に収納機能を持たせてしまうプランです。
▼ ランドリールームのすぐ隣にファミリークローゼットがあると便利!

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ランドリールームには、除湿機やサーキュレーター用のコンセントを必ず設置しましょう。
また、日当たりを気にするよりも換気扇の配置を工夫したほうが、室内干しの臭い対策には効果的です。
また、キッチンから数歩でランドリールームに行ける「回遊動線」を取り入れると、料理の合間に洗濯機を回したり干したりできるので、家事の時短効果が抜群です。
35坪あれば、こういった回遊動線を取り入れる余裕は十分にあります。
アイランドキッチン導入の注意点
ドラマや映画に出てくるようなアイランドキッチン、素敵ですよね。新築で家を建てるなら、ぜひ導入したいと思われる方も多いのではないでしょうか。
35坪の家なら、広さ的には導入可能です。ただ、アイランドキッチンはその名の通り「島」のように独立しているので、四方を通路にする必要があります。
そのため、壁付けキッチンやペニンシュラキッチンに比べて、広いスペースが必要です。
| キッチンの種類 | 特徴と35坪での相性 | メリット |
|---|---|---|
| アイランド型 | 広いLDKが必要だが、開放感は抜群。 | 回遊できるので配膳や片付けがスムーズ。 |
| ペニンシュラ型 | 片側が壁についているため、省スペースでアイランド風に見える。 | コンロ前の壁で油ハネを防ぎやすい。 |
| I型(壁付け) | 最もスペースを節約できる。 | リビングを広く使える。料理に集中しやすい。 |
成功例としてよく見かけるのは、完全なアイランドではなく、片側を壁につけた「ペニンシュラ(半島)型」を採用するパターンです。
これならアイランドキッチンのような開放感と回遊性をある程度維持しつつ、スペースの節約もできます。
「どうしてもアイランドがいい!」という場合は、ダイニングテーブルをキッチンの横並びに配置するなどして、動線をコンパクトにまとめる工夫が必要かなと思います。
▼ ペニンシュラ型キッチンでスペースにゆとりを!

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南玄関と北玄関で変わるゾーニング
新築の間取りを考える上で、玄関の位置は家全体の構成(ゾーニング)を決定づける重要な要素です。
一般的には「南玄関」が明るくて良いとされていますが、35坪の間取りにおいては、実は「北玄関」もメリットがあるんです。
南玄関の場合、どうしても玄関ホールと廊下が南側の貴重な日当たりスペースを使ってしまいます。
一方で北玄関にすると、南側をフルにLDKや居室として使えるため、日当たりの良い部屋を広く確保しやすいです。
特に35坪という限られた面積の中でLDKを広く取りたい場合は、北玄関や東・西玄関にして、南面をリビングとダイニングで独占する配置が成功しやすい傾向にあります。
- 南玄関のメリット: 玄関が明るく、家の顔として華やかになる。
- 北玄関のメリット: 南側にプライベートな庭やLDKを広く確保でき、道路からの視線も気になりにくい。
▼ 北玄関にすると南側のスペースが明るく充実!

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35坪の間取りよくあるにある「失敗と対策」
成功例を見るのも大切ですが、「やってはいけなかった」という失敗談から学ぶことの方が、実は多かったりします。
35坪は余裕があるようでいて、無駄なスペースを作ると途端に狭く感じてしまうという広さでもあります。
後悔しないために、設計段階で気をつけておきたいポイントを押さえておきましょう。
廊下を極限まで減らす設計のコツ
35坪の間取りで最も警戒すべきは「長い廊下」です。廊下はただ移動するためだけのスペースであり、居住スペースではありません。
ここを減らすことができれば、その分だけ収納や部屋を広くできます。
オススメは「廊下のない間取り」です。
例えば、玄関ホールから直接LDKに入り、洗面所や階段、個室へのアクセスも全てLDKを経由するように配置します。
これなら廊下をほぼゼロにできますし、家族が必ずリビングを通るためコミュニケーションも生まれやすくなります。
▼ 廊下のない間取りはスペースが広く使えます!

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廊下をなくしてリビング直結の間取りにする際、トイレの位置には気をつけましょう。
リビングにトイレのドアが直接面していると、音や視線が気になって落ち着きません。ドアの向きを変えたり、一枚壁を挟んだりする配慮が必要です。
後悔しないLDKの広さとバランス
「LDKは広ければ広いほど良い」と思いがちですが、35坪の家でLDKを25畳以上にするなど無理に広げすぎると、他のスペース(収納やお風呂、洗面所)にしわ寄せがいってしまいます。
また、広すぎるLDKは冷暖房の効率が悪くなったり、掃除が大変だったりというデメリットも。
35坪の全体バランスを考えると、LDKは18畳〜22畳程度、最大で24畳にするのが最もバランスが良いラインだといえます。
もしもっと広く見せたい場合は、物理的に床面積を広げるのではなく、以下のような視覚的な工夫を取り入れてみてください。
- 吹き抜けを作る: 天井が高くなると、実際の畳数以上に広く感じます。
- リビング階段にする: 視線が上に抜けるため、圧迫感が減ります。
- ウッドデッキと繋げる: 窓の外に床と同じ高さのデッキを作ることで、リビングが外まで続いているように錯覚させられます。
「新築35坪」成功への近道
この記事では、35坪の土地に新築で家を建てる際の間取りのポイントや注意点をお話ししてきました。
35坪という広さは、工夫次第で理想の暮らしを詰め込める、本当に素晴らしいサイズ感です。
4LDKにするか3LDKにするか、平屋か2階建てか、それぞれのライフスタイルに合わせて最適な「正解」を見つけていただきたいと思います。
成功への一番の近道は、やはり「たくさんの実例を見ること」に尽きます。
成功例だけでなく、失敗例もできるだけ見ることができればベストです。
頭の中でイメージしているだけでは気づかない動線の問題点や、新しいアイデアが、プロが作った間取りを見ることで一気に見えてくることがあります。
今では間取りのシミュレーションができるアプリもありますから、まずはそういったものを利用して、自分たちの好みに合う間取りのストックを増やしていくことから始めてみてはいかがでしょうか。
たくさんの選択肢の中から、「これだ!」と思える運命の間取りに出会えることを応援しています。
>> 失敗しない家づくりの「決めることリスト」で重要ポイントをチェック!
※記事内で紹介した間取りの考え方や費用の目安は一般的なものであり、土地の形状や建築条件、依頼するメーカーによって異なります。具体的な設計や資金計画については、必ずハウスメーカーや工務店等の専門家にご相談の上、進めてください。
