ハウスメーカーとの契約解除は可能?タイミングが重要
夢のマイホーム計画、わくわくしますよね。でも、打ち合わせを進めていく中で「もしかしたら契約を解除しなきゃいけないかも…」という状況になる可能性はゼロではありません。そんな時、気になるのは「解約はできるのか」「違約金はいくらかかるのか」という点ではないでしょうか。
結論から言うと、施主側の都合でハウスメーカーとの契約を解除することは可能です。ただし、契約の進み具合によって発生する「違約金」などのペナルティが大きく変わってきます。この記事では、ハウスメーカーとの契約解除について、詳しく解説しますので、気になっている方はしっかりお読みいただき、参考にしてください。
ここが違う!「仮契約」と「本契約」のキャンセルの扱い
家づくりでは、よく「仮契約」と「本契約」という言葉が使われます。この2つ、実はキャンセルの扱いが全く違うんです。この違いを理解していないと、後で思わぬトラブルになることも。それぞれどう違うのか、詳しく見ていきましょう。
「仮契約(申込段階)」のキャンセルと申込金の返還
まず「仮契約」ですが、これは一般的にハウスメーカーへの「申込」のことを指します。まだ具体的な間取りや見積もりが確定していない段階で、「この会社で家づくりを進めます」という意思表示として行われることが多いですね。この時、数万円から10万円程度の「申込金」や「証拠金」を支払うケースが一般的です。
この仮契約の段階であれば、原則としてキャンセルが可能で、支払った申込金も全額返還されることが多いです。なぜなら、まだ正式な工事請負契約(本契約)には至っていないからです。ただし、契約前に地盤調査や概略設計などを依頼していた場合、その実費が申込金から差し引かれる可能性もあります。申込時に交わす書類の条件をよく確認しておきましょう。
「本契約(工事請負契約)」後の解除は「解約」となる
次に「本契約」ですが、これは間取りや仕様、金額、工期などが確定した段階で結ぶ「工事請負契約」のことです。この契約を結ぶと法的な拘束力が発生します。つまり、ここから先は簡単に「やめます」とは言えなくなるというわけです。
本契約後に施主側の都合で契約を解除する場合、それは「解約」という扱いになります。そして、解約にあたっては、契約時に支払った手付金の放棄や、場合によっては高額な違約金の支払いが必要になる可能性が非常に高くなります。本契約はそれだけ重い契約だということを覚えておいてくださいね。
本契約解除で発生する「違約金」の目安と内訳
では、本契約後に解除した場合、具体的にどのような費用が発生するのでしょうか。違約金の内容は、契約書(約款)に詳しく記載されていますが、一般的には以下のような費用が請求されることが多いです。
手付金の放棄と実費精算(設計料など)
本契約直後で、まだ何も工事が始まっていない段階での解除であれば、「手付金の放棄」だけで済む場合があります。これは、契約時に支払った手付金(請負金額の5〜10%程度が一般的)を放棄することで契約を解除する方法です。契約書に「相手方が契約の履行に着手するまでは、施主は手付金を放棄して契約を解除できる」といった条項(手付解除)が定められていることが多いので確認してみましょう。
ただし、着工前であっても、すでに詳細な設計図の作成や建築確認申請の手続きが進んでいた場合、それらにかかった設計料や申請費用などの「実費」を請求される可能性があります。これらの費用は数十万円から数百万円になることもあります。
【実費精算の対象となる費用の例】
・印紙代
・敷地調査費
・地盤調査費
・設計料(建築確認申請費用など)
・すでに発注してしまった資材の費用
着工後に解除する場合の損害賠償
もし、工事が始まった後(着工後)に契約を解除する場合は、さらに高額な費用が発生するリスクがあります。手付金の放棄や実費精算に加えて、ハウスメーカーが工事によって得られるはずだった「逸失利益」の補填を求められることがあるからです。
逸失利益は、請負金額の一定割合(例えば10〜20%程度)で設定されることが多いですが、工事の進捗状況によっては、すでに発注済みの資材費や工事費なども含めて請求され、違約金が数百万円から一千万円以上になる可能性もあります。工事が進めば進むほど、解約時の負担は大きくなることを覚悟しなければなりません。
違約金がかからないケースと解除の手続き
ここまで本契約後の解除には高額な違約金が発生する可能性があるとお伝えしましたが、例外的に違約金なしで契約を解除できるケースもあります。また、いざ解除するとなった場合の手続きについても知っておきましょう。
住宅ローン特約による白紙解除
多くの工事請負契約には「住宅ローン特約」という条項が設けられています。これは、「もし定められた期日までに住宅ローンの審査に通らなかった場合、契約を白紙に戻すことができる」という特約です。
住宅ローン特約が適用されれば、支払った手付金は全額返還され、違約金も発生しません。ただし、施主がわざと審査を遅らせたり、嘘の申告をして審査に落ちたりした場合は適用されないこともあるので注意が必要です。
クーリングオフによる解除
契約場所がハウスメーカーの事務所やモデルハウス以外(例えば自宅への訪問販売、喫茶店、テント張りの仮設案内所など)であった場合、「クーリングオフ制度」が適用される可能性があります。
クーリングオフが適用されれば、契約書面を受け取ってから8日以内であれば無条件で契約を解除でき、支払ったお金も戻ってきます。ただし、自ら事務所に出向いて契約した場合や、土地に定着したモデルハウスで契約した場合は適用されないので、契約場所は重要なポイントです。
ハウスメーカー側の重大な債務不履行による契約解除
もし、ハウスメーカー側に重大な契約違反があった場合(例えば、正当な理由なくいつまで経っても着工しない、図面と全く異なる施工をされた、倒産してしまったなど)、施主側から契約を解除し、損害賠償を請求できる可能性があります。
トラブルを避ける解約手続きと伝え方
いざ契約を解除することになった場合、その意思表示は必ず「書面」で行うようにしましょう。営業担当者への口頭連絡だけでは、「言った言わない」のトラブルになりかねません。証拠が確実に残る「内容証明郵便」を利用するのがおすすめです。
また、契約解除の条件や違約金の計算方法については、契約書(約款)に詳しく記載されています。まずは約款を熟読し、不明な点があればハウスメーカーに確認しましょう。もし、請求された違約金の額に納得がいかない場合や、トラブルに発展しそうな場合は、早めに弁護士や国民生活センター、住宅リフォーム・紛争処理支援センターなどの専門機関に相談することをおすすめします。
まとめ:契約解除にならないために!打ち合わせで確認すべきこと
契約解除には精神的にも金銭的にも大きな負担がかかります。できれば避けたい事態ですよね。そのためには、何よりも「安易な契約は避ける」ことが大切です。
「今月中に契約すれば値引きします」「とりあえず仮契約だけでも」といった営業トークに乗せられて、よく理解しないままハンコを押してしまうのは危険です。特に「仮契約」と説明されても、書類の内容が実質的に本契約に近いものでないか、注意深く確認する必要があります。
納得できるまで何度でも打ち合わせを重ね、疑問点や不安な点はすべて解消してから契約に臨むようにしましょう。
